トランプに対する安倍の姿勢 ~ マスメディアに対する違和感

トランプの暴走が止まらない。

イスラム圏7カ国のアメリカ入国禁止大統領令の混乱は世界中に広がっている。
トランプの一連の外国人排除の動きは、世界に差別と憎しみを広げ、人々を分断し平和の妨げとなる決して許されないことであり、徹底的に非難されるべき問題だ。

世界各国の首脳がトランプに対して非難の声を上げる中、安倍首相はこのトランプの動きに対して「入国管理は内政事項」とし「コメントする立場にない」との姿勢を崩していない。

さて、今日の核心部分は、この安倍首相の姿勢に対するマスコミの立場についてである。比較的リベラルとされる新聞やかなり左のメディアでも以下のような論調が多い。

 

・安倍首相はアメリカに気を遣わずきちんと悪いことは悪いと言うべきだ。
・安倍首相はアメリカのいいなり
・安倍首相はアメリカのポチ

 

このような主張に違和感を感じた人はいないだろうか。
その違和感の正体は、はからずしも政府の御用解説者の論調によってその姿を現す。

安倍の太鼓持ち辛坊治郎の今朝の発言を要約するとこうだ。

 

・日本は難民の受け入れに積極的でないのだから安倍首相がトランプを非難できるわけがない。

 

だから安倍首相は悪くない、といいたいのだろうが、実は安倍の真意を読み解くヒントを与えてくれている。

安倍首相がトランプを非難しないのは、アメリカのポチぶりを発揮しているからでも、アメリカに気を遣って言いたいことが言えていないのでもない。
アメリカに気を遣って言えない、という論調を裏返せば、安倍首相はトランプを悪いと思っている、となる。なんと、安倍首相を過大評価したものか!

安倍首相がトランプが大統領になる前に会談したとき、選挙で大々的に排外主義を主張したトランプを「信頼できる人」と絶賛したことを思い出してほしい。
安倍首相はトランプと同じ考え方なのだ。
安倍首相は日本に難民を受け入れたくないし、イスラム圏の人々に来てほしくないのだ。もっというと世界に憎しみと混乱が広がり紛争が起これば、自衛隊を海外に派兵するチャンスが広がると企んでいるのだ。

リベラルなメディアの論調に対する違和感は、このように安倍に深く刻まれた悪魔の正体を覆い隠し小さく見せてしまうことにあった。

安倍やトランプが一国のトップに居座る限り、世界の平和はどんどん遠ざかっていってしまうのである。