絶対忘れてはいけない 森友学園問題の背景


国民の注目を集める森友学園問題。
安倍昭恵夫人、松井知事らを初め政治家達の関与はもはや誰の目にも明らかで、今後も徹底的な追求・究明を期待したい。

さて、この森友問題、いろんな問題を含んでおり、個別の問題で道を見失わないようこの事件の問題の本質はどこにあるかを常に意識しておく必要があると思う。
では、本題のこの問題の本質となる背景とは何か。


それを探る前に今の教育現場で何が起こっているかを知っておかねばならない。
「教え子を戦場に送るな」と教師達が戦争に反対してきた戦後教育現場。そんな当たり前の教師の良心はそんなに簡単に実現できることではなかった。戦争の象徴であった日の丸君が代を強制する勢力が平和を求める教師達に常に踏み絵を踏ませてきた。
その流れが最近ではもっと大きな強制力となり平和を訴える教師達に襲いかかる。
維新の会が牛耳る大阪では教師が君が代を声を出して歌っているかを口パクチェックするという異常な事態まで起こっている。
そんな中自民党は、「子ども達を戦場に送るなと主張し、中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる」と「教育の中立」を逸脱する教師への処分を強化すべく、ネット上に密告投稿フォームを公開するなどの監視を進め、「教育の中立」を逸脱する教師への処分を強化すべく方針を決定している。
日本の最高法規である憲法に定められた、憲法を尊重し擁護する義務を負う公務員である教師が憲法を護れということすら政治的中立を逸脱するとされる時代となっている。

その一方で、国民を戦争に導いた教育の中心に座り戦後は戦争の教育装置として教育現場から一掃されていた教育勅語を復活させ、中国や韓国を蔑視し、国民を戦争へ巻き込む法案を賛美し、園児に教え込んでいた森友学園へは不当に土地を安く提供し、学校認可への便宜を図る。


中立性を欠いているのはどちらかという話である。そしてこれが森友学園を考える上で、絶対に忘れてはいけない背景。「教え子を戦場に送るな」とまじめに平和について考える教師を政治的中立に欠けると弾圧する一方で、戦前の子ども達を戦場に導いた教育を復活させる教育については優遇する。

これをきちんと押さえていなければ、「土地を安く払い下げたことがこの問題の焦点で、昭恵夫人が100万円を渡したかどうかは本筋から外れた問題だ」として御用解説者の争点そらしにまんまと引っかかってしまう。誰がこの異常な教育者・異常な教育を支えてきたのかを明らかにし、彼らの思惑と闇を明らかにしなければならない。

賄賂や忖度を明らかにすることも大切だが、戦争で人々の大切ないのちを奪われるような未来を迎えるのか、戦争をしない日本を守り抜くのかを将来的に決めていく子ども達にどんなことを教えるのかという問題を忘れてはいけない。
徹底的に安倍政権の進める異常性を明らかにし、政治的中立をやたら強調しながら実は確実に戦争に向かう教育へと偏向している現在の教育を見直す議論としてこの問題をとらえていく必要があると思う。

 

でも今のマスコミにそんなことを期待できるだろうか・・・・・